晩秋蚕ひと区切り(晩秋7~17日目)


前回の投稿から10日以上が経ってしまいました・・・
せっかくブログを作ったのでこれでは意味がない。いま一度、計画的に更新していきたいと思います。

さて、この間何をしていたのかというと、「桑とり→お蚕への桑やり→食べ残しとふんの片づけ→桑とり→桑やり→・・・」の毎日を送っていました。

さかのぼること10日ほど前、19日頃からお蚕の食欲が爆発的に増大。
日に日に増してくる桑の供給量、そして食べ残した桑とふんの量の多さに養蚕1年生浅井、完全にのまれてました。。。

結果的に今回飼育した7,500頭のお蚕さまたちはガソリンスタンドの敷地分くらいの畑に植えられた桑をたいらげていきました。

最初は青々と茂っていた桑畑も

ご覧のとおりの裸具合に

そして、9月26日の夜から、「繭をつくりたいよ~」とサインを出してくる蚕が出てきました。
サインにはいろいろありますが、大きな判断基準の1つがお蚕の色です。

左が熟蚕(通称:ずーさま)
写真提供:高橋 淳さん

「繭をつくりたいよ~」と言っているお蚕は、通常の蚕に比べ身体が透きとおり、飴色になってきます。この状態のお蚕を「熟蚕」と言い、ここ群馬では「熟す(じゅくす)」を「ずっくす」と言うことから(?)、「ずーさま」の愛称で親しまれています。

おとなりの富岡市で養蚕を志す仲間のお嫁さん(笑)に手伝っていただき、網を使い、お蚕と食べ残した桑との分離をはかります。

どんどんお蚕がはいでてきます。
ときにはこんな愛らしいお蚕も

この日は、この網をかけた作業で終わりにし、翌朝から「お蚕あげ」というお蚕を「回転まぶし」という繭をつくらせる道具に移す作業を行います。

朝5時から作業開始。

屋外での作業時が、ゴミ出しに来た人が足をとめて「がんばれよ」と声をかけてくれます。

朝8時、心強い助っ人陣がきてくださいました。

さすがの皆さん農家の出で、お蚕はさんざん「やらされた」ということで、こちらから特に指示を出さなくても、あれよあれよと作業が進んでいきます。

そして、網ですくいあげたお蚕を雨どいのような容器に敷きつめ

大胆ではありますが、回転まぶしの上からお蚕を落としていきます。
余談ですが、この写真の人は現在ネパール在住です

そして、お蚕が回転まぶしにのぼるのを待ち(お蚕は上へ上へと登っていく習性があるので、その習性を利用します)

お蚕がだいたい回転まぶしに足をつけたかなというところで、回転まぶしを吊るします。

この回転まぶしには、お蚕が良い繭をつくるための様々な先人の工夫があるのですが、それはまた改めてご紹介したいと思います。すぐにでも知りたい方は、ぜひ群馬へ!

上へ、上へ

登っていく過程で「ここだ!」という部屋をみつけたお蚕は繭をつくっていきます

ここでお蚕は3日で糸を吐ききり、繭をつくります。繭は1つの糸からできているのですが、その長さは全長約1500m!1日で500mも糸を吐く計算です。桑をたべる音が聞こえるのと同様、ここでもお蚕が糸をはくパチパチとした音が聞こえます。

ここで大事なのは、部屋に風を入れてやること。
ということで、この時期の「お蚕は風で飼え」という格言めいたものもあります。

出荷は、10月7日か8日とのことです。
どんな繭ができるか不安でもあり、楽しみでもあります。

最後に、、、ひと仕事した後の休憩時間は格別です!
かかあ陣の話は面白い。これもまた万国共通なんでしょうね。

Comments

  1. なる程!回転まぶしってのは、こういう風に使うんですね。母の実家で、散々見ましたが・・・納得! IDE

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    1. 井出先生、コメントありがとうございます。お母さまの実家ではたくさんあったのですね!この道具ももう生産はストップしてしまっているため、道具についたシミや傷をみて大事に使おうという気になります。

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